時計の査定方法と基準|見ている箇所と相場の算出方法をプロが解説
「思い出の詰まった時計を手放すなら、少しでも高く買い取ってほしい」そう思っていても、時計の査定基準や相場がわからず、適正な価格で売れるか不安に感じていませんか?
この記事では、時計買取のプロが査定のポイントや価格の決め方を詳しく解説します。時計の状態、ブランド、製造年、さらには市場の需要まで、査定に影響する要素を理解することで、高額買取の可能性を最大限に引き出せるでしょう。
この記事を読むことで、以下のことがわかります。
▼この記事でわかる内容
- 時計の買取価格を決める6つの査定基準
- 時計買取業界の仕組みと査定価格の計算方法
- 時計買取査定の流れ
- 高額買取を実現するための具体的な4つのステップ
時計の価値を正しく理解し、納得のいく価格で売却するために、ぜひこの記事を参考にしてください。あなたの大切な時計が、次の持ち主へと大切に受け継がれることを願っています。
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時計買取価格の査定基準
時計の買取価格を決定する査定基準は、いくつかの要素から総合的に判断されます。ここでは、主要な査定基準とその内容について詳しく解説します。
基準①|時計本体の状況
時計本体の状況は、査定価格に大きく影響する要素のひとつです。
評価項目 | 内容 |
---|---|
外装の状態 | キズ(汚れ)の有無、研磨歴 |
ムーブメントの状態 | 正常に動作するか、オーバーホールの必要性 |
針や文字盤の状態 | シミや腐食の有無 |
風防の状態 | キズや欠けの有無 |
ブレスレットやベルトの状態 | 伸びや劣化の程度 |
基準②|時計の種類
時計ブランドの人気のあるなしを判断します。人気があるのは主に下の表にある、高級〜中級時計ブランドです。人気があまりないのは、バッグや衣類などが主力のブランドの時計です。
人気ブランドの時計ならプレミアが付くこともありますが、人気があまりないブランドの時計なら、元は高額のものでも残念な査定結果になってしまうかもしれません。
ブランドの種類 | 例 |
---|---|
高級時計ブランド | パテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ・ピゲ、ランゲ・アンド・ゾーネ、ブランパン、ジャガー・ルクルトなど |
中級時計ブランド | ロレックス、ウブロ、ゼニス、グランド・セイコー、IWC、オメガ、ブライトリング、パネライ、タグホイヤー、チューダーなど |
その他の時計ブランド | ロンジン、オリス、ノモス、ユンハンス、フレデリック・コンスタント、ティソ、ハミルトン、セイコー、シチズン、オリエントなど |
基準③|時計の製造年
時計の製造年は、査定価格に影響を与えます。通常は新しいものほど高くなりますが、中には特定の年代のものが特別高く評価されるケースもあるのです。
例えば、ロレックス・サブナリーナー・Ref.5513は、レアな仕様が見つかる1960~70年代後半の方が、1990年ごろのモデルより、査定価格が高くなる傾向です。
基準④|製造番号(時計が本物かどうか)
製造番号は時計が本物かどうかの判断にも使われます。時計のブランドによって、製造番号は特定の箇所に刻印されています。
例えば、オメガなら裏ぶたや、ケースとブレスレットをつないでいるラグ部などに入りますが、偽物の時計にはそれがありません。製造番号の有無だけで時計の真贋の判定はできませんが、大きな材料のひとつです。
基準⑤|時計のモデル(人気モデルか否か)
人気のブランドの時計なら、すべて査定価格が高いわけではありません。
人気のモデルには高い買取価格が付きますが、モデルの人気・不人気は主に流行で決まります。人気の高かったモデルが、しばらくたつと人気がなくなることもあるので、買取を依頼するタイミングは重要です。
基準⑥|新品か中古か否か
新品か中古かも、重要な査定基準です。状態がどれだけよくても中古は購入したくないという方もおり、新品の買取価格は高くなります。
新品かどうかの判断は、細かな傷の有無や時計に貼られた保護フィルムがはがれていないかなどでおこないます。
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そもそもの時計買取業界の仕組み
査定価格を決めるのに欠かせない市場価格は、以下の3つの要素で決まります。
▼そもそもの時計買取業界の仕組み
- 時計の市場
- 時計買取業者
- 時計売買側
ここからはそれぞれの要素を解説しながら、時計業界の仕組みを見ていきましょう。
時計の市場
時計の市場とは、専門業者が時計を取引する場所です。業者が買取った時計が出品され、販売する業者がセリ形式で落札していきます。一度のセリで多数の時計が出品・落札されており、相場ができるのです。
時計の市場に参加するには、古物商を持っていることやインボイス番号を持っていることなどが条件となるので、プロ以外は参加できません。
時計の市場はいくつもあり、それぞれ人気のブランドやモデル、相場が異なります。買取業者はお客様から少しでも高く買取れるよう、複数の時計の市場に参加しているのが一般的です。
時計買取業者
時計買取業者がおこなうのは、査定・買取と時計の市場への出品です。査定時には主に時計の市場での相場とあわせて、次の3点も参考にしています。
時計の市場での相場と合わせて参考にすべきポイント
- 他の時計買取業者
- 来店したお客様
- 海外の市場
他の時計業者との情報交換や来店したお客様との雑談は、これからの相場を読むのに大切です。特定のブランドや品番の人気が上がると判断したら、相場には表れていなくても強気な査定をおこないます。
また海外の市場をつかむのも大切です。日本では人気がない時計が海外では高く取引されていると判断したなら、高めの査定額を提示します。
同じ市場に出入りしている業者でも買取価格に差が出るのは、以上3点に影響されているからです。
時計売買側
時計を売ってくださるお客様です。買取業者が市場の相場をチェックしたり、情報を仕入れたりしているのは、少しでも高い値段で時計を買取ってお客様に満足していただくためです。
買取られて市場を経由した時計は販売店を通し、次のオーナー様の手に渡ります。
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時計の査定価格の計算式
たとえば弊社・侍コンシェルジュでは、時計の査定価格を新品未使用品と中古商品に分けて、計算式を用いて算出しています。
ただし、すべての買取業者が同様の計算式を用いてる訳ではなく、異なる方法でも査定価格を算出しているかもしれないので、ご了承ください。
新品未使用品
新品未使用品の買取価格の提示は、以下の計算式でおこなわれます。
査定価格の算出式(新品)
- 査定価格 = 定価 × 買取率
「買取率」は時計のブランドやモデル、市場の需要などによって変動します。一般的には70%〜90%くらいですが、中には100%を超えるケースもあります。
中古商品
中古商品の買取価格の提示は、以下の計算式でおこなわれます。
査定価格の算出式(中古)
- 査定価格 = (定価 × モデルごとの相場変動率 × 状態係数)× 買取率
「モデルごとの相場変動率」は、主に市場の相場で変動します。
「状態係数」は、時計の外装やムーブメントの状態で、50〜90%くらいで変動します。一方で、「買取率」は時計のブランドやモデル、市場の需要で70%〜90%くらいで変動します。
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業者による時計の価格査定の流れ
時計の買取査定は、以下の流れで進められます。
▼業者による時計の価格査定の流れ
- STEP①|査定依頼
- STEP②|時計の確認
- STEP③|市場調査
- STEP④|査定額の算出
具体的に4つのSTEPを解説していきましょう。
STEP①|査定依頼
査定依頼は店頭で受けるのが基本です。その他、HPのフォーム、LINE、メールなどでも受け付けている場合があります。
都合の良い方法で、大切な時計を査定させてください。
STEP②|時計の確認
現物を手に取り、時計の状態や付属品を確認するのがベストです。
Webを通した査定では、送付された写真や寄せられた情報から時計の状態などを推測するので、詳細なものほど査定の精度が高まります。
STEP③|市場調査
市場調査をおこない、該当するブランドやモデルの落札相場を見つけます。市場価格は変動するので、できるだけ新鮮な情報を元にしています。ただし、査定依頼を受けた時計が他の業者が探しているモデルだった場合など、市場調査にとらわれない場合もあります。
STEP④|査定額の算出
「時計の査定価格の計算式」で紹介した計算式にしたがって査定額を算出しますが、Web経由など現物を手にせずに算出した査定額はあくまでも仮のものです。
仮の査定額に納得していただけたら、現物による査定・買取へと進みます。
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時計の高額買取を実現するために売り手側ができること
時計を少しでも高く買い取ってもらうために、売り手側ができることはいくつかあります。次に紹介していくとともに「できること①」では、弊社限定の事情を解説しています。
▼時計の高額買取を実現するために売り手側ができること
- できること①|清掃・修理を実施する
- できること②|付属品を揃える
- できること③|円高のタイミングで査定に出す
- できること④|新しいモデルが発売される前に査定に出す
できること①|清掃・修理を実施する
清掃・修理の実施で買取価格が上がるという業者もありますが、弊社・侍コンシェルジュでは、あまりおすすめしていません。状態の悪い時計は、そのまま弊社に査定依頼してください。
理由は、修理するのにかかった金額が、修理により上がった査定価格を上回ることがあるからです。止まっている時計は、そのまま査定に出してください。また、侍コンシェルジュなら掃除していなくても、きれいな状態のものと同じ価格で買取いたします。
できること②|付属品を揃える
査定価格を上げるために、保証書や箱、ブレスレットを調節した際に余ったコマなど、付属品はできるだけ揃えてください。
メーカーでオーバーホールなどのメンテナンスをおこなった場合の証明書があれば、次に購入される方の安心材料になるので、査定価格のプラスになります。
できること③|円安のタイミングで査定に出す
円安のタイミングで査定に出すことで、査定価格が上がる可能性があります。日本の市場に参加している海外のバイヤーが、円安時には割安さを感じて落札相場を押し上げてくれるからです。海外で人気のモデルほど、円安のタイミングを狙って査定に出しましょう。
できること④|新しいモデルが発売される前に査定に出す
新しいモデルが発売されると旧モデルの査定価格が落ちたり、逆に人気が高まったりと相場は大きく変動します。
新しいモデルが発売されるという情報をつかんだら査定を依頼して、相場を確認した上で買取に出すか検討してみてください。
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まとめ
時計の査定価格は、時計本体の状態やブランド、製造年など、様々な要素から総合的に判断されます。少しでも高く買い取ってもらうためには、時計の付属品を揃えたり、タイミングを見計らったりして査定に出すことが重要です。
また無料査定サービスを利用して複数の買取業者の査定額を比較検討することや、一括査定サービスを利用することで、より高額な買取を実現できるかもしれません。
大切な時計を売却するのですから、慎重におこなうことをおすすめします。
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